「ハイヤー運転手ってタクシー運転手と何が違うの？」
「ハイヤー運転手になりたいけど、どんな業界なの？」
このようにハイヤー運転手と聞いても、ピンとくる方は少ないのではないでしょうか。

 

タクシー運転手とハイヤー運転手は、どちらもお客様を目的地まで車で運ぶ仕事ですが、その背景や特徴は大きく異なります。

 

この記事では、ハイヤー運転手の仕事内容を紹介し、その勤務形態や待遇などハイヤー運転手を取り巻く現状を紹介いたします。

 

この記事を読むことで、ハイヤー運転手の仕事を身近に把握でき、あなたの目指す選択肢も広がるでしょう。

 

ハイヤー運転手という職種に興味があるけどよくわからないという方は、ぜひ参考にしてみてください。

本記事は厚生労働省が公表している統計からみるハイヤー・タクシー運転者の仕事のデータを元に執筆しています。

 

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ハイヤー運転手とはどんな仕事？

ハイヤー運転手は、高級車を運転して会社役員やVIPを目的地まで安全に送迎する仕事です。

 

ハイヤーは完全予約制で、行き先も官公庁や大規模イベントなどのビジネスシーンや冠婚葬祭など特別なシーンで利用されるワンランク上の輸送サービスです。運転手付きの貸し切り乗用車ともいえます。

 

ハイヤー運転手は安全運転はもちろん、きめ細かな接客応対のスキルと、時間通りに到着するための地理にも明るくなければいけません。

 

ハイヤーとタクシーはどこが違う？

ハイヤーもタクシーも、お客様を安全に目的地へお送りするサービスですが、ふたつには違いがたくさんあります。

 

わたしたちに身近なタクシーと比較することで、ハイヤーの特徴がより分かりやすくなるでしょう。

 

それぞれの違いから、運転手として必要なスキルや向き不向きなどもわかるため、ハイヤー運転手を目指す方や、これからタクシー業界へ就職、転職を考えている方もチェックしてみてください。

 

それではくわしくみていきましょう。

利用料金が違う

タクシーはタクシー乗り場や街中など乗った場所から降りる場所までの走行距離で料金が決まるメーター制が採用されています。

 

一方ハイヤーは完全予約制で、乗車区間のみに料金がかかるわけではなく、営業所を出てからお客様の送迎が済んで営業所に戻るまでの運賃が後払いで請求されます。運転手付きの貸し切り乗用車を、一定期間借りる料金システムというとわかりやすいでしょう。

 

タクシーは降りる場所によっては初乗り料金で済む場合もありますが、ハイヤーは初乗り料金がないため、短距離の利用でもタクシーよりかなり高額な料金設定となっています。

 

契約も、単発ではなく一か月などまとまった期間での契約となるため、車種やサービス内容によってもその料金は変わってくるのです。

利用者の利用目的が違う

タクシーは流し営業で誰でも拾うことができ、その利用者は不特定多数です。乗りたい場所から目的地までの移動手段として利用します。

 

一方ハイヤーは、タクシーでは入ることができない官公庁などへの送迎や会社役員の送迎、大切なVIPのビジネスシーンでの接待、結婚式などの冠婚葬祭に特別な移動手段として利用されます。個人ではなく、法人契約をしている企業もあります。

 

タクシーが単発的な日常の交通機関とすると、ハイヤーは事前に用意された特別なおもてなしの乗り物というとわかりやすいのではないでしょうか。

ハイヤーは事前に予約が必要である

タクシーはタクシー乗り場や街中で走りながら利用客を目的地まで乗せる、流し営業スタイルですが、ハイヤーは完全予約制です。

 

ハイヤーは予約の入った利用者を乗せるために営業所から出庫し、送り届ける貸し切りの乗用車です。ハイヤーの利用者は単なる移動手段ではなく、貸し切りという空間や快適さも含めて移動や送迎に利用しているのです。

 

そのため、ハイヤーの運転手は、運転をするだけでなく、ドアを手動で開けるなど格式ある状況での行き届いたサービスが必要になってきます。

ハイヤーには高級車が使われる

タクシーは流し営業が主なため、人の目を引く派手な色合いに行灯が屋根についています。

 

ハイヤーは予約制の貸し切り乗用車のため、外見からハイヤーとわかる必要もなく、また、乗客も重役やVIPのため、黒塗りの高級車が使われます。

 

車種としては、レクサスやクラウン、センチュリー、6人乗り以上のタイプだとアルフォードやハイエース、ヴェルファイアなどが使用されます。

関連記事：20代の若手タクシードライバーが急増している理由とは - 楽楽転職

ハイヤー運転手の待遇や勤務形態

タクシーとハイヤーの違いをみてきましたが、その形態からハイヤー運転手はただ運転が上手いだけでなく、高い接客スキルや心配り、マナーに沿った身だしなみが求められる職種といえるでしょう。

 

ここからは、ハイヤー運転手の年収や待遇、勤務形態をくわしくみていきます。

昇給について

前述したように、ハイヤーはタクシーよりも上質なサービスを提供しなければいけません。努力を積み重ね、クライアントから信頼を得て指名を受けるようになると、会社からの信頼度も高まり収入アップにつながるでしょう。

 

会社からの評価や営業力を培い、評価を積み重ねることで昇給していくでしょう。

賞与について

収入面でいえば、ハイヤー運転手はタクシー運転手よりも高収入といえます。

 

ハイヤー専用の会社はとても少ないですが、大手の会社では賞与も年2回支給されることが多く、退職金や福利厚生も充実しています。

各種手当について

ハイヤー運転手の各手当については、残業手当、家族手当、語学手当、資格手当などがあります。他にも無事故無違反表彰制度や永年勤続表彰など、充実した内容となっています。

 

ハイヤーの利用者の中には海外からのVIPも多くいるため、ハイヤー運転手は英語はもちろん、ある程度その国の言葉を話すことができることが望まれます。外国人を担当する際に、こういったスキルがあれば語学手当などがつく企業もあります。

 

そのほかにも運転手を指導、管理する資格である運行管理者の資格を取得すると手当がつく場合もあります。

休日について

ハイヤーはビジネスシーンで利用されることが多いため、ハイヤー運転手は土日は基本休日で、カレンダー通りに近い勤務形態です。

 

平均すると月に22日前後の出勤で、あとは休日や有給休暇となっています。最近では人材確保の一環として働き方改革が行われており、週休3日制をとっている会社もあります。

ハイヤー業界が人手不足とされる理由とは？

ハイヤー運転手をこれから目指してみようという方は、ハイヤー業界の現実を把握しておきましょう。

 

ハイヤー業界は年々運転手の高齢化で人材が減少傾向にあります。

 

ハイヤーの運転手になるには、タクシー運転手を経験してからなることがほとんどですが、そのタクシー業界で人材不足となっているため、ハイヤー運転手も同じく減少しているのが現状です。

 

そのため新たな人材確保のために様々な取り組みがされています。なぜ、ハイヤー業界は人手不足となっているのか、その原因と対策についてみていきましょう。

若手の人材確保ができていない

ハイヤー運転手は簡単になれるものではありません。VIPや重役を乗せて送り届ける任務は、ただお客様を運ぶだけという内容ではないからです。タクシー運転手として経験や知識を積んでスキルを認められてからになります。

 

そのため、タクシー業界全体の低賃金、高齢化による若手の人材不足がハイヤー業界の大きな課題となっています。

 

また、二種免許を取得してタクシー運転手で業績を積んでも、運転技術やハイヤー運転手としてのスキルをなかなか認めてもらえないことも、人材確保ができていない理由になります。

事故に遭う恐れがある

運転手はお客様の命を預かる責任を伴う仕事です。ハイヤー運転手の場合、主な客層が会社の重役やVIP、政治家など、何かあった場合に周囲に大きな影響を与える人物になります。

 

決して事故を起こさず安全に目的地まで届けなくてはならないという重圧は非常に大きく、やりがいにもなりますが、プレッシャーに負けてしまう運転手もいるのが現実です。

今後の需要に関する不安

長引くコロナ禍での外出自粛やテレワークの拡大、さらに訪日外国人の大幅な減少により、ハイヤー業界は大きな打撃を受けています。

 

利用者の減少でタクシー業界でも、売り上げはもちろん、運転手個人の年収も大幅に落ち込みました。

 

ウィズコロナとなった昨今需要は徐々に伸びてきていますが、運転手の高齢化、コロナ禍の収入減で退職が増えた分の補填など、今後のハイヤー業界には不安がまだ多いのが現実です。

業界に対するイメージが良くない

ハイヤー業界のもとであるタクシー業界の現実として、長時間労働や休みが不規則、低賃金といったきつい仕事のイメージは、この業界が抱える大きな課題です。

 

解決には人材確保への取り組みや、運転手の働き方改革などが不可欠で、政府も業界も様々な対策を行っています。

 

高齢化のイメージのある運転手も、新卒採用や、地域保育所と連携することで女性も働きやすい環境づくり、週休3日制など若者が働きやすい環境を揃える企業も増えてきています。

関連記事：ハイヤー運転手はきつい？仕事内容やタクシードライバーとの違い、転職に向いている人の特徴を解説

関連記事：送迎ドライバーの仕事はきついのか？仕事の種類や口コミを紹介 - 楽楽転職｜20代・30代向けの中卒・高卒就職お役立ち情報

ハイヤー運転手になるために必要な資格

ハイヤー運転手になるには、タクシー運転手と同じくお客様を乗せて運転するための普通自動車二種免許の取得が必要です。

 

ハイヤー運転手はVIPを顧客とする仕事のため、誰でもすぐになれるわけではありません。未経験者を養成する大手企業もありますが、タクシー会社に入社してすぐの初心者がハイヤー運転手になるということはありません。

 

まずはタクシー運転手として、数年間業務経験を積むことから始まります。

 

出典：ドライバーになるには（Q&A）｜国土交通省
参照：https://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/jidou_koutu/driver/qa.html

ハイヤー運転手に向いている人

ここまででわかるように、ハイヤー運転手という仕事は誰もがなれるわけではありません。資格をとることはできても、その職務を継続していくにはやはり、向き不向きがあります。

 

ここでは、ハイヤー運転手に向いている方の特徴を紹介します。

礼儀やおもてなしの心がある人

ハイヤーを利用するお客様は、社会的に地位のある方がほとんどです。

 

そのため、ハイヤー運転手は運転技術だけではなく、常にきちんとした礼儀作法や言葉遣い、謙虚な姿勢でお客様と向き合うことができるきめ細かなおもてなしの心がある人が向いています。

 

また、貸し切り乗用車としての居心地のいい空間を作る技術として、コミュニケーション能力や場の空気を読むなど、お客様と良い関係を築くことができる能力も必要です。

安全運転を心掛けることができる人

お客様を乗せて輸送する職業である運転手は、基本的な運転技術は重要です。

 

特に、ハイヤーを利用する顧客は企業の重役やVIPなど、何かあったら影響力がある人物であることから、ハイヤーの運転手は安全運転を常に心掛けることができる人でなくてはいけません。

 

それだけでなく、快適な乗り心地を提供するために、自身の体調管理や集中力を保てる精神力も必要になってくるでしょう。

やりがいのある仕事をしたいと思っている人

ハイヤーには、普段の生活ではなかなか遭遇する機会のない、企業の重役や海外からのVIPが乗車します。

 

高級車でこのようなお客様を乗せるハイヤー運転手という仕事は、やりがいがあり魅力的な仕事といえるでしょう。

 

また、ハイヤーでなくては立ち入ることのできない場所などもあるため、その特権にもやりがいを感じることができるでしょう。

ハイヤー運転手の現実について知っておこう

これからタクシー業界へ入社してハイヤー運転手を目指す方、またはハイヤー業界へ転職しようとしているタクシー運転手の方は、こんなはずじゃなかったと後悔する前にハイヤー運転手を取り巻く現実を把握しておく必要があります。

 

ハイヤー運転手は華やかで魅力的な仕事ですが、気の休まることのないつらい仕事であるというのも現実です。

 

責任も大きく、安全に快適に目的地まで顧客を運ばなくてはいけないプレッシャーに勝つ集中力も必要でしょう。運転技術はもちろん、コミュニケーション能力、語学力や礼儀作法も不可欠になってきます。

 

相当の忍耐と努力が必要ですが、その分非常に大きなやりがいと、ワンランク上の運転手として誇りを持って仕事に打ち込むことができるのも現実でしょう。

 

ぜひ、自分がどのように働きたいかビジョンをしっかり持って検討してみましょう。

 

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